気づくと、私は道路の真ん中に立っていました。
道路はどこまでも続いていて、その両側は商店街で、似たような構えのお店がどこまでも並んでいました。道路は舗装されおらず、土の道路で街路樹もなく、ひとっこひとりいない、殺風景といえば殺風景な光景です。
お店は木造2階建てで、1階部分はガラス戸になっていました。昭和30年代を思わせるような佇まいでした。
私は、なんのお店なのかなと思ってガラス戸を覗いてみました。中には自動販売機らしきものが、数台並んでいました。人はいませんでした。
さらによく見てみると、その自動販売機は一昔前にあった「エロ本」の自動販売機でした。
私は、「一体どういうお店?」と思いながら、隣のお店を覗きましたが、ここも同じ自動販売機が並んでいました。
その隣もその隣も同じでした。どこまでいっても、同じでした。